2012/5/10
尾張で生まれ育ったおかみが三河へ。
おかみのこよみが更新出来ぬまま、
桜前線も終わり、筍前線の季節になりました。
季節の移り変わりがおかしくなっている今年は、
5月になっても山菜などのおすそ分けもなく、
日本の春の便りを「香りや味わい」で感じることなく
夏を迎えることになってしまうのかと
食いしん坊のおかみは、寂しくなっています。
この連休は、名古屋での仕事の打ち合わせも兼ねて
実家に帰りました。久しぶりにのんびりさせてもらいました。
尾張・名古屋に滞在中、お仕事でお世話になっている
南三河・碧南で料理店を営んでみえる小伴天の長田さんから
お誘いをいただき「南三河食文化研究会(通称:うまいもん会)に
参加させていただきました。
発酵・醸造を基本とする日本の食文化が根強く残っている
エリアだけあって、お集まりの皆さんもとても濃厚な方ばかり。
とても楽しいひとときを過ごさせていただきました。
この「南三河食文化研究会」は、私にお声がけくださった長田さんと
おとうふや工房いしかわの石川社長が美味しいものを
食べたり、飲んだりしながら気楽に日本の食文化を語ろうと
スタートされた秘密の会だそうです。(公開してすみません。笑)
二ヶ月に1回というサイクルで30名ほどが参加されているようです。
秘密の会合の内容は紹介できないのですが、
今回の会場だった石川さんのお店の売店でみつけた
「復刻版キリンラーメン」をご紹介します。
- 復刻板キリンラーメン
これは、昭和40年代から西三河地方の人々の家庭で
愛され・食べられていたインスタントラーメンだそうです。
同じ愛知で育った私も今回始めて知りました。
平成になって地方に全国展開のスーパーなどが多くなり
食卓に並ぶ商品も日本中同じようになってしまいました。
各地で地方ならではの家庭の味が消えてしまったのは
この時代からです。
「キリンラーメン」も同じような運命となりました。
しかし、三河の人たちは、自分たちの信じる食に対しての
愛着が深く、それに対しての行動が違うのです。
平成7年に消えてしまったこの「キリンラーメン」を
地元の人々の要望から復活させてしまったのです。
もちろんその中心になったのは、石川さんはじめ、
南三河の濃いメンバーだったようです。
平成の復刻版は、国内産の小麦や豆乳、米粉を使い
今の時代にあわせて進化させ、次の時代の食に対しての
メッセージを送るような新しい「キリンラーメン」に
なっています。時代とともに変わる地域の食文化を
残すということは、難しいことですが、時代にあわせて
残していくことの大切さを実感させてもらいました。
全国各地で地域に残したい食べ物が次代へ続くこと、
残されることを願っています。
By おかみ@堀田 雅湖(正子)